比較・レビュー

マイクロ法人の会計ソフト比較|freee・マネーフォワード・弥生

#会計ソフト#マイクロ法人

当記事にはプロモーションが含まれます。比較の基準と広告の取り扱いは編集方針をご覧ください。

本記事の比較は、各社公式サイトの公開情報(執筆時点)の調査に基づいています。

結論から書きます。税理士なしで回すマイクロ法人なら、簿記知識に自信がなければfreee会計、仕訳形式に抵抗がなくコストを抑えたいならマネーフォワード クラウド会計のひとり法人プラン、デスクトップ時代から弥生に慣れているなら弥生会計 Nextが候補です。どれを選んでも法人の決算書は作成できますが、「法人税の申告書まで自分で作る」ことを前提にすると、申告ソフトへの接続のしやすさで差が出ます。

なお、料金・条件は執筆時点(2026年7月)の情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。

サービス 法人向け月額(税抜)簿記知識決算書作成特徴 公式
freee会計 2,980円〜(ひとり法人プラン・年払い時)不要(独自の入力形式)対応簿記なしでも進めやすいUI。freee申告と直結 公式サイト
マネーフォワード クラウド会計 2,480円〜(ひとり法人プラン・年払い時)あると楽(仕訳形式)対応仕訳500件/年の上限あり。連携金融機関が広い 公式サイト
弥生会計オンライン 2,900円〜(弥生会計 Next エントリー・年払い時)あると楽対応旧オンラインは新規受付終了。現行は弥生会計 Next 公式サイト

前提: マイクロ法人の経理に必要な条件

そもそもマイクロ法人とは何か、なぜ会計ソフトが実質必須なのかはマイクロ法人とはで解説しています。ここでは経理の観点だけ整理します。

税理士に頼まず自分で経理を完結させる場合、会計ソフトに求める条件は次の4つです。

  1. 法人向けプランであること(個人事業主向けプランでは法人決算書が作れません)
  2. 銀行口座・クレジットカードの明細を自動取得できること
  3. 貸借対照表・損益計算書など法人の決算書一式を出力できること
  4. 法人税申告ソフト(全力法人税やfreee申告など)にデータを渡せること

マイクロ法人は取引数が少ないのが特徴です。売上の入金が月1〜2本、経費の支払いが月10件前後という法人も珍しくありません。この規模なら、月次処理は自動連携と自動仕訳ルールでほぼ流れ作業になります。だからこそ、各社の「ひとり法人向けの下位プラン」で十分成立するかどうかが比較の中心になります。

3社とも、取得した明細に勘定科目を推測して割り当てる自動仕訳機能(freeeの「自動で経理」、マネーフォワードの自動仕訳ルールなど)を備えています。取引パターンが固定化しているマイクロ法人では、一度ルールを覚えさせれば月次処理は明細の確認作業が中心になるため、この規模では機能差そのものより「下位プランの制限と料金」が実質的な比較ポイントになります。

freee会計: 簿記知識ゼロから始めるならこれ

freee会計の特徴は、仕訳(借方・貸方)を意識させない独自の入力形式です。「収入か支出か」「何に使ったか」を選ぶ形で入力すると、裏側で複式簿記のデータが作られます。簿記を勉強したことがない人が最初の1期を乗り切る、という用途に向けた設計が3社の中でもっとも明確です。

法人向けの料金は、執筆時点で次のとおりです(税抜)。

注意点として、ひとり法人プランは「一期目の決算を終えている法人向け」と案内されており、設立直後の一期目はスターターからの案内になる場合があります。また電話サポートは付きません。マイクロ法人の実務では、二期目以降にひとり法人プランへ落として運用するのが現実的な使い方です。

もうひとつの強みが、法人税申告書を作成できる「freee申告」(別料金)との接続です。freee会計の決算データをそのまま引き継いで申告書を作れるため、会計から申告までを同じ画面系統で完結させたい人には一貫性があります。

freee会計の公式サイトを見る

マネーフォワード クラウド会計: 仕訳形式でコスパ重視

マネーフォワード クラウド会計は、従来型の仕訳形式をベースにしたソフトです。簿記3級程度の知識があるか、勘定科目にこれから慣れるつもりがあるなら、動作の見通しがよく使いやすい選択肢です。

法人向けの料金は、執筆時点で次のとおりです(税抜)。

3社の下位プラン比較では、年払い時のひとり法人プラン月2,480円が最安水準です。ただし仕訳500件/年の上限がある点は必ず確認してください。月40件ペースで仕訳が発生すると年480件となり上限に近づきます。取引がごく少ないマイクロ法人なら余裕ですが、経費の明細が多い人はスモールビジネスプランも視野に入ります。

また、マネーフォワードは会計以外に請求書・給与などのバックオフィス系サービスが同じ基盤に載っているため、役員報酬の支払いまで一気通貫で管理したい場合に相性がよい構成です。

上限が気になる場合の一般的な対策は、仕訳の本数自体を増やさない運用です。具体的には、法人の支出を1枚の法人カードに集約して明細の発生元をまとめる、少額の購入をなるべくまとめて行う、プライベートの支出を法人口座・法人カードに混ぜない、といった整理が有効です。登録済みの仕訳件数は管理画面で確認できるため、期の途中で一度ペースを点検しておくと上限超過を避けやすくなります。

マネーフォワード クラウド会計の公式サイトを見る

弥生会計オンライン(現・弥生会計 Next): 弥生に慣れているなら

まず重要な注意点です。従来の「弥生会計 オンライン」は執筆時点で新規申し込みの受付を終了しており、現行の新規向けサービスは「弥生会計 Next」に移行しています。これから契約する場合は弥生会計 Nextが対象です。

弥生会計 Nextの料金は、執筆時点で次のとおりです(税抜)。

エントリープランでも会計・請求業務と法人決算書の作成に対応します。ベーシック以上で経費精算や部門管理が加わり、ベーシックプラスでは電話サポートや仕訳相談が付きます。「操作につまずいたら電話で聞きたい」という人にとって、電話サポート付きプランが明示されているのは3社の中で分かりやすい特徴です。

デスクトップ版の弥生会計を職場などで触った経験がある人には、勘定科目や帳票の考え方がなじみやすい系統です。一方で、ひとりで完結するマイクロ法人にとっては経費精算や部門管理はほぼ不要なので、実質的にはエントリープランとの比較になります。

弥生会計 Nextの公式サイトを見る

法人税申告への接続で比較する

マイクロ法人を税理士なしで回す場合、会計ソフトの仕事は「決算書を作るまで」です。法人税・地方税の申告書は別途作る必要があり、ここで多くの人がつまずきます。実際の申告手順はマイクロ法人の決算を自分でやる手順にまとめています。

接続パターンは大きく2つです。

パターン1: freee会計 + freee申告

同一ベンダーで完結する構成です。決算データの引き継ぎに手作業が少なく、画面の作法も揃っています。freee申告は別料金なのでトータルコストで判断してください。

パターン2: 会計ソフト + 全力法人税

全力法人税は、マイクロ法人の自力申告で広く使われている法人税申告ソフトです。会計ソフト側から決算データや仕訳データを書き出して取り込む、あるいは決算書の数字を転記して申告書を作る流れになります。マネーフォワードや弥生を使う場合はこのパターンが基本です。取り込み可否や対応形式はソフトの版によって変わるため、契約前に全力法人税側の対応状況を確認しておくと安全です。

なお、税務の具体的な処理は法人の状況によって異なります。本記事は一般的な制度の説明に留めており、個別のケースは税務署や専門家への確認をおすすめします。

なお、会計ソフトと申告ソフトの組み合わせによっては、勘定科目の対応付けや書き出し形式(CSVなど)の違いにより、取り込み後に数字の突き合わせや修正が必要になる場合があります。全力法人税の公式サイトでは対応する会計ソフトとインポート形式が案内されているため、初めての決算では契約前に自分の会計ソフトのエクスポート形式との互換性を確認しておくと、決算期のつまずきを減らせます。

銀行・カード連携は「対応数」より「自分の口座」

3社とも主要な銀行・クレジットカードの明細自動取得に対応しており、対応機関数の多寡はマイクロ法人の実務ではほとんど差になりません。重要なのは「自分が使う法人口座と法人カードが安定して連携できるか」の1点です。契約前に各社の対応金融機関ページで、自分の口座とカードを名指しで確認してください。

また、経理を楽にする効果が大きいのは、ソフト選びよりも「法人の支出を1枚の法人カードに集約すること」です。明細がカード1本にまとまれば、自動仕訳ルールが安定して月次処理がほぼ自動化されます。連携との相性も含めた法人カードの選び方は法人カード比較で解説しています。

まとめ: タイプ別の選び方

3社とも無料トライアルがあるので、実際の口座を連携して数日分の明細を取り込んでみるのが確実です。月2,000〜3,000円台の固定費で税理士報酬を圧縮できるかどうかは、マイクロ法人の収支に直結します。自分の取引量と簿記知識に合わせて、下位プランで無理なく回る構成を選んでください。

料金・条件は執筆時点(2026年7月)の情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。